ターゲット顧客の設定
ビジネスモデル。ビジネスプランの構想の第一歩は、ターゲット顧客の選定です。ターゲット顧客を選定する際には、次の5つを考えてみましょう。
①
顧客を法人向け、個人向けにシフトする
②
顧客を関係先にシフトする
③
顧客の地域を集中する
④
顧客を特定層に集中する
⑤
グローバル化
このうち「顧客を特定層に集中する」は、文字通り、デモグラフィック基準(地域、所得、年齢、職業等)やサイコグラフィック基準(顧客の嗜好やニーズ、便益など)で市場を細分化するというやりかた、「グローバル化」は国内の事業を海外で展開するということです。
■顧客を法人向け、個人向けにシフトする
「今の事業が法人向けなら、個人向けの事業を展開できないか」「今の事業が個人向けなら法人向けの事業を展開できないか」検討するということです。
たとえばオフィスグリコは、個人向けの菓子販売業を法人向けに応用したケースです。
ベネッセコーポレーションは、もともと中学校の教師向けに生徒手帳を販売していたのが(法人向け)、問題作成を頼まれるようになり、そのノウハウを活かして個人向けの進研ゼミを始めました。
中古車買取専門のガリバーは、「消費者から車を買い取り、消費者に売る」という中古車ビジネスにおいて、「消費者から車を買い取り、ディーラーに売る」という法人向けのビジネスに転換し成功しました。
■顧客を関係先にシフトする
今までの顧客の周りにいる関係先にスポットを当て、その関係先にターゲット顧客をシフトするというやり方です。
たとえば幼稚園のユーザーは幼稚園児です。幼稚園児をターゲット層とすると、「面倒見が良い」「玩具が充実している」ということが訴求点になります。しかし、関係先として両親(入園先を決める意思決定者)、祖父母(お金の出し手)まで広げると、訴求点が変わる場合があります。
たとえば、先生の教育水準の高さ、入園料、迎えの融通さ、祖父母が孫と一緒に参加できる環境の有無などです。
青梅慶友病院は、高齢者専門病院ですが、関係先である「高齢者の子供たち」に焦点を当て成功しています。たとえば、仕事の関係でなかなか面談できない事情に配慮し24時間面会システム、家族が泊まれる施設を用意しています。
■顧客の地域を集中する
様々な地域の顧客を相手にするのではなく、特定地域の顧客を相手にするというもので、一般的にはドミナント戦略といわれます。コンビニが有名ですが、中小飲食店でも地域に何店舗も展開しているケースがあります。
1:地域での認知度が高まる
人は馴染みのある名前の店に入りがちです。一定地域での馴染みを深くするために集中出店します。
2:配送効率が上がる
一定地域内での配送なので効率がよいです。
3:地域に合わせた広告宣伝ができる
特定地域内での市場情報に精通できます。
4:スーパーバイザーが巡回しやすい
一定地域内での巡回なので効率がよいです。
【参考】
「カール教授のビジネス集中講義
ビジネスモデル構築」平野敦士カール著 朝日新聞出版