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消費者をイノベーションに巻き込む方法④(UD法が有効な場面)

UD法(インターネット上の掲示板で消費者の企画アイデアを募り、その中から実現可能なものを他の消費者に公開し、購入希望者を募って、商品化の必要最小購入者数を上回れば商品化に踏み切る)が有効な場面・条件は4つあります。

 

 

■多様な製品使用状況が考えられる

 

製品の多様な使用法が潜在的に存在するものの、製品使用現場の密室性などの理由により、メーカーでは発見困難な場合は、製品使用上の問題を消費者のほうが発見しやすいでしょう。そこに消費者がメーカーよりも市場魅力度の高い製品案を創出する可能性が生まれることになります。

 

 

■消費者の当該製品(ブランド)に関する使用経験が豊富

 

消費者の当該製品(ブランド)に関する使用経験が豊富で、製品入手時の状態を消費者が想像することが容易な場合は、UD法の有効性が高まります。

 

消費者は製品入手時の完成品について想像できてはじめて、安心して製品の事前予約をできます。その結果、消費者が製品の完成状態をイメージしやすい場合のほうが、そうでない場合よりも予約数が多くなり、製品化の可能性が高まることになります。

 

このことは、とりわけ消費者にとって馴染みのないメーカーや流通業者が製品化を手がける場合、重要となります。

 

 

■すでに当該ブランドに対する大規模なブランドコミュニティが存在している場合

 

当該メーカー(あるいは流通業者)が提供するブランドに対して、少なくとも一部の消費者(コミュニティ)が売り手側とは異なる世界観を創造し、実践している場合、UD法の有効性が高まります。

 

たとえば玩具メーカーのレゴでは、ある消費者コミュニティがメーカーとは独自にレゴの世界観を創出し、その世界に基づいて新たな部品(ピース)の創造や構成物の創出を行っています。

 

こうしたメーカーとは異なる世界観が、消費者による当該メーカーへの新規性の高い製品案の提示を可能とします。

 

 

■開発・生産にあたっての固定費の割合が小さい

 

製品化にあたって巨額の技術開発や金型開発が必な場合、早期に大量販売を実現することが求められ、UD法で開発された製品ではリスクが大きくなります。よって、UD法は、開発・生産にあたっての固定費の割合が小さい場合に採用されます。

 

UD法はあくまで多様な消費者の声に着目して開発を行う、言い換えれば細分化された市場セグメントの一部に対応するものであり、事前投票などである程度の需要を確認できるとしても、それがマジョリティな需要なのか判断するのは容易なことではありません。

 

      

【参考】

『競争的共創論』小川進著 白桃書房

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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