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日本は内需国なのに、なぜ輸出の影響を受けるのか?②

 

前回、日本は内需国にもかかわらず、GDPが輸出の影響を受けやすいということについて触れました。

 

 

■輸出の影響は国内にも及ぶ

 

なぜ、日本は輸出依存度が低いのに、輸出が低下するとGDOの成長が大きく阻害されるのでしょうか。

 

考えられる理由として、輸出の影響が輸出だけにとどまらず、国内の設備投資にも影響をもたらすことが挙げられます。

 

「実質輸出の伸び率」と、設備投資と相関を持つ「鉱工業生産の伸び率」の国際比較(1995年以降)を見ると、日本の相関は0.96と高くなっています。

 

日本 0,96

イタリア 0,92

フランス 0,91

ドイツ 0,91

スペイン 0,85

ノルウェー 0,79

アメリカ 0,76

イギリス 0,74

スイス 0,67

韓国 0,54

 

特に電機産業や自動車産業を中心に、系列と呼ばれるサプライチェーンが国内に張り巡らされ、輸出が減るとそれに応じて設備投資が減少し、さらに乗数効果で消費も減少するという状況が考えられます。

 

 

■為替の変動が大きいほど、企業は設備投資に慎重になる

 

輸出は為替の変動を大きく受けるわけですが、為替の変動が大きいほど、企業は輸出に向けた国内の設備投資に慎重になります。

 

1995年1月から2018年3月までの「各国・地域の通貨の変化率(対ドル)平均」を見ると、円の変化率は高く、国内投資を控える(GDP低下)要因となった可能性があります。

 

オーストラリア(ドル) 10,5%

日本(円) 9,4%

ノルウェー(クローネ) 8,9%

ユーロ圏(ユーロ) 8,6%

スイス(フラン) 7,4%

イギリス(ポンド) 7,0%

カナダ(カナダドル) 6,3&

中国(元) 2.0%

韓国(ウォン) 1.9%

 

電機業界の企業の売上と円ドル為替レートの相関係数は0.8程度もあり、1円の変動で業界全体で約4000億円も売上が変わるとも言われています。

 

また名目GDPと為替レートとの間にもかなりの相関があることが指摘されています。10%程度の円安で名目GDPが0.5%程度上昇するとの指摘があります。

 

【参考】

『アベノミクスの真価』原田泰、増島稔編 中央経済社

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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