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成長戦略の経済的効果④

前回、古典派の第一公準について取り上げました。これによれば、「労働の限界生産力が実質賃金と等しくなる」水準で労働需要量(雇用量)が決定します。

 

■労働の限界生産力が上昇すると、実際の雇用量が増加する

 

成長戦略とは、生産性の向上のための政策なので、労働者の生産性、ここでは労働の限界生産力(追加で労働者を1人雇って生産ラインに投入した場合に、増加する生産量)を上げるための政策ということになります。働き方改革もこれに沿った政策です。

 

下図のように労働の限界生産力が上昇すると、実際の雇用量が増加します。

古典派の第一公準(限界生産力の上昇

これは、「追加で人を雇ったら生産量が大きく増えるので、それが販売されたら大きく収入が伸びるのだから、たくさん人を雇う」ということを意味します。

 

 

■生産性とGDPの好循環

 

実際の雇用量が増加すると設備投資が進みます。労働者は機械設備を使って生産するからです。また労働需要が増えるので、実質賃金も増加し(ただし労働の限界生産力の伸び以上には増加しません)消費が増えます。需要項目である投資と消費の増加は、さらなる生産(GDP)の増加をもたらし、それによって設備投資と雇用の増加、および消費の増加という好循環をもたらします。需要が増えるので、この過程で物価が上昇する可能性があります。実際に日本でも高度経済成長ではこの好循環が生まれたのです。

 

労働の生産性を上げると総需要が上がってGDPが上昇し、物価が上昇して脱デフレが実現するという主張の背景には、このような古典派の第一公準の考え方があるのです。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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