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キャリアはデザインするものなのか?④(トランジション・サイクル・モデル1)

■キャリアとは何か?

 

キャリア論では、キャリアについて、おおよそ次のようなコンセンサスができつつあります。

 

キャリアとは

  長期にわたるものなので、不確実でデザインのしようがない

  なにが起こるかわからないので、偶然に身を任せたほうがよい

  いつもキャリアのことを考えているのはうっとうしい

  その一方で時代は働く個人にキャリアについて考えるように要請し始めている

  節目のときだけは絶対に意識してデザインすべきものがキャリアだ

 

キャリア論を研究する神戸大学の金井壽宏教授は,次のように主張しています。

20年,30年先のことはデザインできない。だからこそ,数年に1回ぐらいは訪れる節目(例:就職,異動,昇進,結婚,キリの良い年齢など)だけはデザインしたい。

・節目でキャリアを意識ないとずっと流されたままになってしまう。逆に節目だけデザインして,不確実な中にも方向感覚を持っていれば,節目と節目の間は,多少とも流されてもいい。その中で偶然の機会が訪れるが,それは夢や方向感覚を節目のときに抱いてこそ見えてくることが多い。

 

 

■トランジション・サイクル・モデル

 

いつも将来のキャリアについて考えているのも無意味だが,かといって流されっぱなしもまずい。では,私たち社会人はどのような姿勢でキャリアを歩むべきでしょうか。

ロンドン・ビジネススクールのナイジェル・ニコルソンの「トランジション・サイクル・モデル」というものがあります。これは、キャリアを次の4つの段階からとらえるものです。

 

○第1段階(新しい世界に入る準備をする)

 

○第2段階(実際にその世界に入り,新たなことに遭遇する)

 

○第3段階(新しい世界に溶け込み順応する)

 

○第4段階(もうこの世界に目新しさを感じず,慣れて安定化する)

キャリアトランジションモデル

「A:課題と目標」「B:不適応の場合」「C:上手く適応するための方策と救済策」を示しています。

 

人はこのサイクルを一生で何周もします。たとえば営業,総務,企画と移動するごとに周回するイメージです。数年の期間では,1週ずつのサイクルをより深く生きることが重要です,それが「ひと皮むける」ことにつながります。

 

また,次のサイクルに入った時には,以前のサイクルとの関連性を考え,より上手くサイクルを周れるようにします。つまり,単に同じようにぐるぐる回るのではなく,スパイラルアップするように高度化していくことが重要です。

 

「将来がまずあるのではなく,今の積み重ねの延長に将来があり,積み重ね方でキャリアが開かれる」という考え方を大切にしたいところです。

 

 

【参考】

『働くひとのためのキャリア・デザイン』金井壽宏著 PHP研究所

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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