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好条件は先がよいか後がよいか(ザッツ・ノット・オール技法)

■好条件の提示は先が良いか後が良いか

 

最初から好条件を示した方がインパクトがあるという人もいれば、好条件は後から追加したほうがよいという人もいます。一体どちらがよいのでしょうか。

 

心理学者のバーガーは、カップケーキの販売を使った実験を行いました。ケーキには値段を付けずに、客から訊かれたら答えるようにします。その際に、2つの条件を設定しました。価格は同じです。

 

<第1条件>

値段を訊かれたら、まず最初に値段を告げ、客が迷っているときに「クッキーを2枚おまけに付けます」と付け加える。

<第2条件>

値段を訊かれたら、最初から「クッキー2枚とセット」の価格だとして値段を告げる。

 

結果は第1条件のほうが売れました。ケーキを購入した客の比率は、第2条件では40%だったのに対し、第1条件では73%と2倍近くになりました。

 

クッキーのおまけを付ける代わりに、値引きをする実験も行われました。こちらも値段は同じです。

 

<第1条件>

値段を訊かれたら高めの値段を告げ、客が迷っているときに本来の値段に値引きする。

<第2条件>

値段を訊かれたら最初から本来の値段を告げる。

 

ケーキを購入した客の比率は、第2条件では44%だったのに対し、第1条件では73%と大差がつきました。

 

先に好条件を示すよりも、後から好条件を追加したほうが購入率が高かったのです。

 

 

■後から好条件を追加するほうがなぜよいか?

 

なぜ後から好条件を追加したほうが客は買いたくなるのでしょうか?そこには2つの心理効果が作用しています。

 

1つは返報性の原則です。私たちは他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱きます。おまけの実験では、「おまけをつける」という形で、値引きの実験では「値引きをする」という形で売り手が譲歩したことになるため、買い手はそれに対する「お返し」として購入しなければいけないような気になるのです。

 

もう1つは「対比効果」です。おまけの実験でも値引きの実験でも、最終的な条件は同じでも、「おまけ」とか「値引き」とかがあったほうが得した気分になり、納得しやすくなります。

 

このように後から好条件を追加する説得的コミュニケーションを、ザッツ・ノット・オール技法といいます。こうしてみると、最初からギリギリの好条件を提示するよりも、最初は無理のない条件を提示しておき、相手型が納得しないとみてからギリギリの好条件を提示するほうが、話がまとまる確率が高いといえます。

 

【参考】

『ビジネス心理学 100本ノック』榎本博明著 日本経済新聞社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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