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オープン・イノベーション②(全社的なコミット)

オープン・イノベーションでは、既存のネットワークを超えて、これまで付き合ったことのない組織・企業との協業という面が強調されます。しかしながら、これは並大抵のことではありません。開発者は自らの開発成果によって報酬を得るという立場ですから、やはり自前で開発したいという意図が強くでます。また、これまで付き合いのない相手に対する不安や警戒もあるでしょう。

 

したがって、オープン・イノベーションを推進していくためには、経営者あるいは会社全体として強くコミットすることが必要となります。

 

フィリプスでは、2010年に発表した全社戦略「VISION 2015」の中で、「ワールドクラスのオープン・イノベーション企業を目指す」ことを明文化し、その詳細として以下の項目を挙げています。

 

  よりよい技術をいちはやく獲得することで、研究開発を促進する。そのために積極的に社外から情報を入手する。

  オープン・イノベーション活動を推進するリーダーを任命する。

  2015年までには、商品化のためにキーとなる技術の50%は、外部から導入するようにする。

 

そのうえでオープン・イノベーションに特化した3年計画として、2010年から2012年までの中期プランを作成しました。2010年は「展開」、2011年は「定着」、2012年は「継続」の年として、各年の目標を掲げました。特に初年度の2010年は、以下のような具体的な活動目標のもとに、一気に活動を展開しています。

 

  オープン・イノベーションを進める風土を醸成し、成功体験を蓄積する。そのために数多くの開発テーマでオープン・イノベーションを実践する。

  少なくとも、全体の25%にあたる800人の開発者が、この間にオープン・イノベーションを実践する。

 

同時にオープン・イノベーションチームを立ち上げ、担当ディレクターに権限を付与し、活動推進を任務とする専任メンバー3人を選定しました。

 

 このような取り組みにもかかわらず、実際にオープン。イノベーションにためらいを感じる研究開発者が多く、なかなか推進には至らなかったようです。そこで、社員に対し、以下のトップメッセージを発しました。

 

・他社よりも先にゴールに到達するために社外技術を活用することは、恥ずかしいことではない。「社外技術活用に誇りを持つ」という考え方を意識すること。

・早期の失敗も成功のうち。失敗を恐れずにチャレンジすること。「やりながら学ぶ」を意識すること。

 

 

【参考】

『オープン・イノベーションの教科書』星野達也著 ダイヤモンド社

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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