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この交渉はどういうゲームなのか?(交渉の基本パターン)②

Q:
 現在、鉄鋼メーカーX社(株式公開企業)と金属回収業者Y社(ベンチャー企業で株式公開を目指している)とが、合弁会社を協議しています。共同出資で特殊鋼の生産工場を建設し、金属回収業者が原材料を供給し、鉄鋼メーカーが生産にあたるというものです。
 出資、コスト負担、将来的な資金調達、利益の分配はすべて折半で話し合いが進んでいました。ところが突然、鉄鋼メーカー側がリスクに極めて慎重な姿勢をとり、計画に難色を示し出しました。
 あなたがY社の交渉担当者なら、どのように交渉をまとめますか?



A:
 これは価値交換型のケースです。
 交渉では、どうしても「互いに高く価値づけているものは何か」に注目してしまいますが、「向こうがとても欲しがっていて、こちらがさほど高く価値づけていないものは何か」に注目すると、交渉の方向性が見えてきます。
 この場合、X社側はリスク(赤字から黒字のバラツキ)を嫌っているので、望んでいることは、リスクの軽減(黒字であってもリターンは大きくなくてもいいが、赤字であっても大きなロスは回避したい)ということになります。一方、Y社側としてはそれほどリスク軽減に関心がないのであれば、この部分は譲歩してもよいはずです。
 すなわち、赤字の場合はY社側がより多くそれを負担し、黒字の場合もY社側の取り分を多くするように交渉すればよいということになります。「ハイリスク・ハイリターンの原則」ですね。

 価値交換型交渉の手順は、次のとおりです。

① 利益を細分化して問題を複数化する。
② 自己の関心利益を特定化する。
③ 相手の関心利益を特定化する。
④ 優先順位を付けて相互の利益差を特定する。
⑤ 利益差に基づいて、利益を交換する。


【参考】
「最新ハーバード流 3D交渉術」デービッド・A・ラックス、ジェームズ・K・セベニウス 著 CCCメディアハウス
「交渉の戦略」田村次朗著 ダイヤモンド社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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