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バリューグラフ(バリューラダー)

バリューグラフとは、スタンフォード大の故石井浩介教授らが開発した価値工学の手法で、製品やサービスの目的や価値を構造的に可視化し、解空間を広げるために用います。階層で表すときはバリューラダーとも呼ばれます。

 

私たちは問題解決に際して、あるコンセプトや解決策に飛びつく傾向にありますが、その前に「なぜそうするのか?」という問いを発し、より上位の目的を追求します。「そもそも本質的な目的は何か?」を考えることにより、当然のこととみなしていた思考や行動から離れて、視野を広げることができます。

 

上位の目的が見つかれば、逆方向にその目的を「どのように実現できるか?」と考えていくことで手段の自由度を高め、よりクリエイティブな代替案を検討できます。

 

バリューラダーのねらいは、上位の目的や価値を構造化し、より創造的な発想を促すことです。多くの場合、上位の目的は1つではないので、チームメンバーの多様性を活かしながら、いくつもの目的を考え出し、それぞれの目的を実現する手段を書き加えていきます。これまで考えたこともなかった手段が代替案として登場し、イノベーションのきっかけになることもあります。

 バリューグラフ1

上図は、アップルの開発チームが、パソコン「Macintosh」の空冷ファンの価値について議論したときに作成されたものです。「空冷ファン」を出発点に、空冷ファンの目的は空気の流れをつくること、空気の流れをつくる目的は熱を除去すること・・・というふうに上位の目的を考えていった結果、「信頼性を向上させ長寿命を実現」という最上位の目的(本質的価値)が見えてきました。ここまでくると、その目的を達成するのに必ずしも空冷ファンを用いなくても、チップの性能を高めるといった別の選択肢が浮上してきます。なかには「一定温度に保つ」ために「南極大陸に出荷」といった現実的でない方法が混じっていますが、こうした突飛なアイデアを許容しながら議論を進めることが、枠にとらわれない思考では重要です。

 

 

【参考】

『システム×デザイン思考で世界を変える』前野隆司編著 日経BP

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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