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この交渉はどういうゲームなのか?(交渉の基本パターン)③

Q:
 あなたはミニシアターの営業責任者です。このシアターの映画鑑賞券は1人1800円です。平日は空席が目立ち、少し寂しい雰囲気です。
このたび、自社の映画館で上映される映画の情報を載せた小冊子を作成し、付近のレストランやカフェ、ヘアサロンに広告スペースの販売を行うことにしました。
 広告掲載料は10万円ですが、「10万円では高すぎる。5万円であったら考えてもよい」と言われています。
 あなたなら、どのように交渉をしますか。


A:
 これは創造的問題解決型です。
 まず、広告スペースの価値について、相違があります。

 あなたにとっての広告スペースの価値:10万円
 広告主にとっての広告スペースの価値(コスト):5万円

 よって、この5万円の差を埋めることになります。
 たとえば、平日限定の無償鑑賞券を付けるということが考えられます。無償鑑賞券のコストは、せいぜい印刷代くらいでほぼ0、平日の映画上映コストは固定費ですから、さらに観客が増えてもコストが上がるわけではありません。一方、広告主にとっては、鑑賞券の価値は1800円ですから、それで5万円の価値の差を埋めればよいわけです。切りよく30枚配布した場合の両者の価値(コスト)は次のようになります。

 あなたにとっての価値(コスト)
=広告スペースの価値(10万円)+鑑賞券(0円)

 広告主にとっての価値(コスト)
=広告スペースの価値(5万円)+鑑賞券(5万4千円)
=10万4千円

 これなら広告主は5万円のコストで、10万4千円の価値が手に入れられるので、応諾するでしょう。無償鑑賞券を使って価値のパイを拡げたということですね。
 創造的問題解決型の手順は、価値交換型と同じように、「相手に費用がかからずに自分のニーズを満たしてくれるものは何か」「自分の費用がかからずに相手のニーズを満たせるものは何か」を考えることから始まりますが、「どのように価値(パイ)を拡げるか」について、創造性が求められます。

【参考】
「戦略的交渉力」平原由美、観音寺一嵩著 東洋経済新報社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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