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CVCAの具体例

CVCAの具体例を紹介します。

 

<企業概要(ハマノパッケージ)>

1954年創業。贈答品や高級菓子向けの貼り箱専業メーカーとして、優良企業との取引を通じて順調に業績を伸ばす。しかしながら、近年、製品単価の下落、原材料の高騰、高級品向け製品の不振により業績が低迷。

 

<これまでの取り組み>

コスト削減や生産性向上、品質向上、新規顧客開拓、既存顧客深耕などに取り組む。特に品質向上については、「高級貼り箱メーカーの生命線」という信念から、重点的に力を注ぎ、「高級感のある箱」「面白い形状の箱」といった要望を顧客から聞き出し、その通りの品質を実現した。しかし、顧客が欲しいという「良いもの」をどれだけ作っても、思うように売上は伸びず、コモディティ化が加速している単体での勝負に突き進んでいた。

このような状況の中、慶應SDMとのコラボレーションにより、「高品質から高価値へ」「付加価値から本質的価値」への視点の転換を図ることにした。

 

CVCA

社員とパートスタッフによる地元百貨店洋菓子売場でのフィールドワークを行った結果、「作り手(自社)」目線だけでなく、「売る人」や「買う人」の目線も意識できるようになり、「売り場でやり取りされている価値」という視点を持てるようになった。同時に、その価値が何か分からないという課題も浮き彫りになった。

 CVCA例2

昔から同社は、箱は何かの中身を入れることではじめて製品として成り立つと考えていた。単体の箱それ自体には価値がないと思い込んでいたのである。それが最終消費者の観察によって、製品の価値は局面(フェーズ)によって異なるという認識に変わった。

 

貼り箱が製造されてから廃棄されるまでは、いくつかのフェーズに分かれている。最終消費者を意識した貼り箱の開発を考えるのであれば、製造から廃棄までのどのフェーズで価値を最大化すべきかー。そう考えた結果、贈り手がもらい手に箱を渡した瞬間から、箱がもらい手によって保管されるまでの価値を最大化することが重要であるという結論に達した。言い換えるならば、「贈られた喜びがいつまでも持続すること」が、箱にとっての本質的な価値であると定義したのである。そして「廃棄を前提としない貼り箱の開発」という新たな道が開けた。

 

 

【参考】

『システム×デザイン思考で世界を変える』前野隆司編著 日経BP

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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