FC2ブログ

WCAの具体例

WCAWants Chain Analysis:欲求連鎖分析)の具体例について、前回のハマノパッケージを取り上げます。

 

同社ではブレインストーミングを行い、本質的価値を実現するための作業を進めた。その結果、「飾っておきたい箱」「和のテイスト」「立体的なデザイン」などといったアイデアが生まれ、それらが「折り紙風の貼り箱」というコンセプトに集約され、最終的には「個人が日常で使いたくなる箱をあえて商用で流通させる」というソリューションにたどりついた。

 

その次に「最終消費者は何に価値を感じて製品を購入するのか」という点を追求するためにバリューグラフで掘り下げた。

 

<贈答品の目的の分析>

「贈答品を渡す」⇒「感謝の気持ちを伝える」⇒「感謝の気持ちに気づいてもらう」⇒「よい人間関係を築く」

 

この時点で同社が注目したのは、「感謝の気持ちに気づいてもらう」という目的だった。贈り手としては、相手に喜んでもらいたいのはもちろん、その喜びが長く続くことを望むだろう。そこで同社は、最終消費者にとっての本質的な価値は、相手に感謝の気持ちに気づいてもらうことと、その喜びが長続きすることであると考えた。それは、通常であれば廃棄される段階になっても手元に置き続けたくなるような価値を貼り箱にもたせることができれば実現できると考えたわけである。

 

バリューグラフで明らかになった本質的価値を、具体的な製品のカタチに落とし込むために、同社はCVCAでつながっているように見える価値連鎖が、本当に顧客を満足させているかどうかを確認するために、WCAを行った。

WCA例2

こうした試行錯誤の結果、同社が最終的に選択したのは、海外企業向けに「和のテイスト」を強調した高級貼り箱を開発するというアプローチであった。その目的は、直接の取引先(顧客企業)に価値を提供するだけでなく、贈答品をもらった人(最終顧客)に感動を与え、中身がなくなっても使い続けたくなる箱を、あえて商用に流通させることである。

 

この事例の重要なポイントは、それまで自分たちが「顧客」だと考えていた相手の先に「最終的な顧客」が存在することに気づいた点である。それにより、お菓子などの中身がなくなれば捨てられてしまうという前提条件を見直し、「廃棄されずにずっと使い続けられる貼り箱」というコンセプトのもとで新製品開発に取り組みことができるようになった。

 

【参考】

『システム×デザイン思考で世界を変える』前野隆司編著 日経BP

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR