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ドーピング批判を批判すると?

 国際陸連は13日、組織的なドーピング問題を受け、ロシア陸連に暫定的な資格停止処分を科しました。ルールを無視したロシアの行為に対する姿勢として、当然の措置でしょう。
 しかしながら、ドーピングそのものについては、意外と批判することは難しいのかもしれません。

Q:
 ドーピングの是非はともかくとして、次の主張に対して説得力のある批判をしてみてください。


 スポーツ選手が競技実績を上げるために薬物を用いて競技力を高める、すなわち薬物ドーピングは禁止されなければならない。
 その第一の理由は、副作用による。とくに筋肉増強剤の副作用は肝臓障害、高血圧、動脈硬化などの重大なものが多く、死と隣り合わせのものが多い。また、筋肉増強剤の使用は攻撃性や敵対心を増大させ、人格を変容させてしまう。
 第二に、薬物ドーピングはスポーツの理念に反する。スポーツは、人間が自分自身の能力を最大限に発揮することを求める。それゆえ、かりに薬物に訴えて世界記録を出したとしても、それは無価値である。
 そして第三に、競技スポーツは公平でなければならない。トレーニングによって鍛えた身体を持つ走者とステロイド剤によって作り上げた筋肉を持つ走者が競争し、ドーピングした選手が勝利したとしても、それは公平な勝利とはみなせない。ドーピングは試合の公平さを破壊する不正行為にほかならない。


A:
 ここでの目的は、相手の主張の論証部(根拠)に対して批判すること(相手の論証部に対して反論すること)であり、何か対案を出すこと(異論)ではありません。では、第一から第三までの理由を批判してみましょう。

・副作用と言うが、自己責任ではないか。喫煙や練習のしすぎも健康に害するが、それは禁止されていないのではないか。
・「スポーツは、人間が自分自身の能力を最大限に発揮することを求める。」とあるが、それではシューズや水着などの高機能化された用具類はどうか。素っ裸でやれというのか。
・「公平」と言うが、そもそも「公平」とは何か。確かに禁止されているのにドーピングを行ったら不公平だろうが(ロシアや旧共産圏諸国)、解禁されていたとしたら「不公平」ではないのではないか。

【参考】
「論理トレーニング101題」野矢茂樹著 産業図書


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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