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経営学と経済学の違い②

■木も森も見る

 

確かに個々の企業の頑張りは重要なことですが、一企業レベルでできることには限界があります。

 

たとえばリーマンショック後、1ドル115円程度であった為替は、1ドル80円を割る水準にまで円高が進みましたが、これでは日本の輸出企業は韓国・台湾・中国などの企業と戦いようがありません。

 

20122月に会社更生法を申請し、製造業として戦後最大の負債総額4480億円で経営破綻した半導体製造業エルピーダメモリの坂本幸雄社長(当時)が、記者会見の中で「為替については、リーマンショック前と今とを比べると、韓国のウォンとは70%もの差がある。円高は一企業の努力でカバーできない」と発言したのは偽らざる本音でしょう。逆にアベノミクス以降の円安で、過去最高益の企業が続出したことは記憶に新しいです。

 

ミクロ偏重の発想は、経営者、経営学者、経営コンサルタントに顕著に見られます。極端な例では、「日本経済がイマイチなのは、みんなが頑張らないからだ」という主張さえあります。私に言わせると、これはただの精神論に過ぎません。

 

ここで大事なことは、経営学(ミクロ)の視点も、経済学(マクロ)の視点も両方大事だということです。私自身も、経営コンサルタントの立場では、(日銀の金融政策が悪い、規制緩和がイマイチなどと言っていても始まらないので)経営学の観点で思考します。一方、経済全体を論評するときは、もちろん経済学の観点で発想するようにし、完全に思考のフレームを使い分けています。

 

経済学の視点がないと、正しい状況認識ができなくなります。みなさんにも、「木も見て、森も見る」、実務的な意思決定の場面では経営学的な発想を、国の政策判断(あるいは選挙の際の政党・候補者の選択)の際には経済学的な発想を心がけて頂ければと思います。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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