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戦略、戦略と言うけれど・・・

さて、今回から4回経営戦略について考えていきます。第1回ということで、経営戦略の定義から入ります。

といっても、識者によって様々に定義があり、「明確にコレ!」というものがあるわけではありません。ただし、多くの共通理解として、「企業と環境とのかかわり方(環境適応のパターン)を将来志向的に示す構想であり、企業行動に一定の方向性や指針を提供するもの」というものがあります。

企業は生物と同様、外部環境に依存します。外部環境が変れば企業も変らなくてはなりません。そしてそのための指針が経営戦略だというわけです。指針ですから、長期的な展望に基づいたものということもできます。日々の業務とは次元が違うとも言えます。

「経営戦略=環境変化に対応するための指針」と言いましたが、この環境変化への対応とは、単に受動的に対応するということだけでなく、環境変化を先取りする、あるいは自ら環境に働きかけるといった能動的なものも含みます。

また、環境には外部環境だけでなく、内部環境(内部資源)もあります。内部資源が充実すれば、当然、打ち手も変ってくるでしょう。たとえば豊富な資金を手にすれば、より積極的な策を講じることができるといった具合です。

もっとも、「経営戦略=環境変化に対応するための指針」と言っても、まだモヤモヤした感がありますね。経営戦略の決定ときたら、具体的にはどのようなことを決めるのでしょうか。

経営戦略にはレイヤー(階層)があります。企業戦略(企業レベルでの戦略、成長戦略とも言う)、事業戦略(事業レベルでの戦略、競争戦略とも言う)、機能戦略(マーケ、財務、人事、情報、生産といった職能レベルの戦略)の3つです。

もっとも大抵の経営戦略の本では、企業戦略と事業戦略しか扱っていませんから、この2つに絞って考えていきましょう。企業戦略とは経営者レベルの戦略、事業戦略とは事業部長レベルの戦略と考えてよいです。


企業戦略

あなたが経営者だったら、どのようなことを気にするでしょうか。おおよそ次のようなことだと思います。

わが社の事業領域(ドメイン)はどこにあるのか?
たとえば教育分野とかエンターテイメント分野とかです。有名な例としては、NECが1970年代末に打ち出したC&C(Computer & Communication)があります。「コンピュータとコミュニケーションの融合に関するものしかやらない」ということですね。

今後、どのような事業を手がけるべきか?
ドメインに沿って具体的な事業を思案します。新規事業のみならず既存事業も含めた(事業の撤退・縮小を含む)事業全体の組み合わせ(事業ポートフォリオ)を考えるということです。

事業間での経営資源の配分はどうするか?
上記に伴い経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をどう割り振るかということです。有望な事業には経営資源を突っ込み、将来性がない事業には突っ込む量を減らす(あるいは無くす)ということです。

全社的な強みの源泉をどう蓄積していくのか?
キヤノンは光学技術という強みを使って、複数の事業(コピー、カメラ、FAX、プリンタ等)を展開しています。このように特定の強みを使って複数の事業を展開する場合には、強みを継続的に向上させていく必要があります。これは事業部長レベルではなく、経営者レベルの課題です。なお全社的な強みを、コア・コンピタンス(企業の中核能力)と言う場合もあります。


事業戦略

事業部長が考えなくてはいけないことは、ただ1つ「いかにして同業他社に対して優位性を築いていくか」でしょう。ビジネスモデル(儲けを出すための仕組み)の構築もこの範疇です。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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