顧客は本当は何を望んでいるのか?(ラダリング調査)
■ニーズと価値観は螺旋状につながっている
消費者の「〇〇が欲しい」というニーズは、その人の文化的・社会的・個人的価値観と連鎖上につながっていると考えられます。価値は通常、顧客の心理に内在されているものですから、商品選択の際に価値が反映されるものと考えられます。こうした価値とニーズが連鎖上につながっていることをベネフィットチェーンといいます。
<コーヒーメーカーの例>
特定の商品属性への顧客ニーズ
「デジタルタイマー付きで自動でコーヒーができ、きめ細かな泡(クレマ)も楽しめるコーヒーメーカーが欲しい。」
価値を反映した商品属性を持った商品群
「デジタルタイマーと、クレマが作れる機能が付いたコーヒーメーカー。」
結果を生み出す商品特性
「私が朝起きたときには、クレマが入ったコーヒーができていてほしい。」
望ましいベネフィット
「私は毎朝早く勤務先に出勤する」「毎朝気持ちよく起床する」
文化的・社会的・個人的価値観
「私の務めは、懸命に仕事に打ち込むこと」「毎日の生活を楽しみたい」
■ラダリング調査とは?
このように特定の商品ニーズから出発して消費者価値に到達することがわかります。ニーズから出発して価値にさかのぼる調査技法をラダリング(梯子のぼり)調査といいます。
ラダリング調査では、「私はデジタルタイマー付きのコーヒーメーカーが欲しい」という消費者に対して、「なぜそのように思うのか」と尋ねます。その答えが「朝早く起きてコーヒーを飲みたいから」であったとしたら、さらに「なぜそう思うのか」と梯子の段を登るように、次々と「なぜ」の質問をしていきます。
単に表層的なニーズを探ってよしとするのではなく、その大元となる価値観を探ることで、顧客への訴求の仕方や新たな商品開発に活かします。
【参考】
『基本から最新まで マーケティングキーワードベスト50』田中洋著 U-CAN