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顧客は本当は何を望んでいるのか?(ラダリング調査)

■ニーズと価値観は螺旋状につながっている

 

消費者の「〇〇が欲しい」というニーズは、その人の文化的・社会的・個人的価値観と連鎖上につながっていると考えられます。価値は通常、顧客の心理に内在されているものですから、商品選択の際に価値が反映されるものと考えられます。こうした価値とニーズが連鎖上につながっていることをベネフィットチェーンといいます。

 

<コーヒーメーカーの例>

特定の商品属性への顧客ニーズ

「デジタルタイマー付きで自動でコーヒーができ、きめ細かな泡(クレマ)も楽しめるコーヒーメーカーが欲しい。」

価値を反映した商品属性を持った商品群

「デジタルタイマーと、クレマが作れる機能が付いたコーヒーメーカー。」

結果を生み出す商品特性

「私が朝起きたときには、クレマが入ったコーヒーができていてほしい。」

望ましいベネフィット

「私は毎朝早く勤務先に出勤する」「毎朝気持ちよく起床する」

文化的・社会的・個人的価値観

「私の務めは、懸命に仕事に打ち込むこと」「毎日の生活を楽しみたい」

 

ラダリング調査とは?

 

このように特定の商品ニーズから出発して消費者価値に到達することがわかります。ニーズから出発して価値にさかのぼる調査技法をラダリング(梯子のぼり)調査といいます。

 

ラダリング調査では、「私はデジタルタイマー付きのコーヒーメーカーが欲しい」という消費者に対して、「なぜそのように思うのか」と尋ねます。その答えが「朝早く起きてコーヒーを飲みたいから」であったとしたら、さらに「なぜそう思うのか」と梯子の段を登るように、次々と「なぜ」の質問をしていきます。

 

単に表層的なニーズを探ってよしとするのではなく、その大元となる価値観を探ることで、顧客への訴求の仕方や新たな商品開発に活かします。

 

【参考】

『基本から最新まで マーケティングキーワードベスト50』田中洋著 U-CAN

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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