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経済成長はなぜ必要か?①

テレビ番組での竹中平蔵氏(元総務相、現慶應義塾大学教授)と榊原英資氏(元大蔵省財務官、現青山学院大学教授)との討論の中で、榊原氏がおおよそ次のようなことを言っていました。

「日本を含め先進国はゼロ成長時代に入っており、せいぜい1%程度の成長しか見込めない。江戸時代の中期から後期はほとんどゼロ成長であったが、文化が生まれ、それを楽しんできた。日本も成熟社会を楽しむよう意識を変えていくべきだ。」

脱経済成長を唱える人には、大きく2つのタイプがあります。1つめは「経済成長はできない」というもの、2つめは「経済成長より心の豊かさを求める」というものです。榊原氏の発言は両方の要素が強いようですが、民主党の枝野幸男幹事長なども同様の主張と考えて良いかと思います。

「経済成長しなくてもいいじゃん」という主張は以前からありましたが、それに対してはどのように反論すればよいでしょうか?意外と説明が難しいかもしれません。

「経済成長しない=現状の生活維持」というイメージなんだと思いますが、「経済成長しない=現状の生活を維持できない」というのが特に日本の場合では当てはまります。

一般的に経済成長することのメリットは、次のとおりでしょう。

① 1人あたりの所得が増える
② 雇用機会が増える。
③ ①②より需要が増える。
④ 投資が増え、将来の成長が可能になり、その結果、将来世代が豊かになる。
⑤ 構造改革が進む。

 成長していれば不採算分野をなくして余剰の資源(人材)が発生しても成長分野が吸収できる。
 社会的摩擦が低い。
 成長していれば大なり小なり多くの人が得をする。逆にゼロ成長(マイナス成長)だと限られた所得の取り合いになる。
 税収が増えるので財政が健全化する。

逆にゼロ成長(マイナス成長)だと税収が上がらず、財政が健全化しない。日本のような少子高齢化が進んでいる場合、社会保険のための資金が確保できなくなる。

②に関連して、ポール・クルーグマン(経済学者でノーベル経済学賞受賞)の「生産性の謎」というものがあります。これは「人間は努力をほとんどしなくても年2%程度の生産性の向上を成し遂げてしまう」というもので、それは「慣れ」によるものだと考えられます。そうなると生産性の伸びと同程度の人員が不要となります。経済成長(生産規模の拡大)がないと、自動的に失業者が増えることになるのです。


【参考】
「日本経済論の罪と罰」小峰隆夫著 日本経済新聞社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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