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メンタル・アカウント③

■先払いと都度払いではどちらがよいか

 

あなたは新婚旅行で南の島に出かけるとします。次の2つのパターンのうちあなたならどちらを選ぶでしょうか。

 

<パターン1:先払い>

費用の全額をパッケージツアー会社に払い込む。かなりの高額である。しかしまとめて費用を払っているので、飲食代、ビーチタオルの使用料、ボートの使用料、島巡りの参加料などの追加費用は発生しない。

 

<パターン2:都度払い>

飛行機代、宿泊代、飲食代、ビーチタオルの使用料、ボートの使用料、島巡りの参加料など都度支払う。

 

結論からいうと、どちらがよいかというわけではありまん。しかし概して「先払いパターン」のほうが支払総額が大きいものの、全体で見た支払いの痛みも少ないようです。一度支払ってしまえば、あとは無料で提供されたかのように感じられるからです(実際には前払いで費用は発生しているのですが)。その結果、消費の満足度も高くなります。

 

一方、「都度払いパターン」はいちいち出費を気にするので、財布の紐が固くなり、支払総額は小さくなるものの、出費について都度考えさせられるため支払いの痛みが大きくなり、消費の満足度も低くなりなます。

 

 

■出費の痛みを引き起こす要因

 

出費の痛みを引き起こす要因には、次の2つがあります。

 

  「お金が財布を離れるタイミング」と「お金を払って手に入れたものを消費するタイミング」との時間差

  出費に向ける注目

 

①の時間差が小さいほど、②の出費に向ける注目が高いほど出費の痛みは大きくなります。

 

「先払いパターン」では確かに支払い時の痛みは大きいですが、実際に消費するときには、それは遥か過去の話になっており(時間差が大きい)、出費の痛みから完全に癒えています。また先払いですから、消費の都度、出費が発生しないので、出費に向ける注目もありません。

 

一方、「都度払い」では、時間差が小さく、かつ都度出費が伴うため、支払い時の痛みは大きくなります。

 

このような傾向が消費者にあるとしたら、企業としてはどのような手段を講じるべきでしょうか。もちろん、「先払いで一括で支払わせる」ことが合理的です。たとえばアマゾンプライムに一旦加入してしまえば、その後のオプションはすべてタダのように感じられるので、満足度は高くなります。

 

【参考】

『アリエリー教授の「行動経済学」入門-お金篇-』ダン アリエリー、ジェフ クライスラー 著 早川書房

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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