fc2ブログ

経済成長はなぜ必要か?②

「経済成長しても労働時間が長くなるだけで幸せにはなれない。経済成長よりも幸福感を高めるべきだ」という意見は、左派と呼ばれる人たちから主張されてきました。ただし「幸せの感じ方」は人それぞれでしょうし、そもそも定量化ができないという点で政策目標として採用することは困難でしょう。

内閣府経済社会総合研究所の2012年度の調査によれば、幸福感に影響を与える要因として次のことが挙げられています。

① 所得水準が高いほど幸福感も高くなる。
② 仕事をしている人は総じて幸福感が高く、失業している人は幸福感が低い。
③ 結婚している人のほうが幸福感が高い。
④ 自分の健康状態についての評価が高い人ほど幸福感が高い。
⑤ 学歴が高い人ほど幸福感が高い。
⑥ 困難なときに助けてくれる人の数が多いほど幸福感が高い。


また自殺率と失業率との間には正の相関関係があることが指摘されています。厚生労働省「人口動態統計」と総務省「労働力調査」のデータから、自殺率と失業率との相関係数は0.87(自殺率の増減の9割近くが雇用要因で説明できる)ということです。

ギリシャでは、財政問題が表面化した2008年以降、緊縮財政により、名目GDP(26%減少)、失業率(7.8%から25.6%に上昇)、自殺率(36%上昇)と悪化していることも、無視できない事実だと思います。

そう考えると、経済成長により、仕事が確保されたり所得が上がれば、結婚しやすくなり、子供への教育費が増え、社会保険の充実により健康状態も維持されることになり、いいことづくめということになります。

「経済成長しても仕事人間になるだけ」という人は、既に仕事や相応の所得が確保されている人ではないでしょうか。

「カネか充実感か?おそらくどちらも、あるいはケースバイケース(モチベーション理論)」で触れたように、所得には衛生要因(「不満」の状態から「不満なし」の状態に持っていく要因)という性格があります。

衛生要因を満たしているが、動機づけ要因(「不満なし」の状態から「満足」の状態に持っていく要因)を満たしているわけではない(したがって幸福感が小さい)ので、そのようなことを言っているようにも思えます。

【参考】
「日本経済論の罪と罰」小峰隆夫著 日本経済新聞社
「誤った経済政策で 自殺者を増やした罪を忘れたか 間違い続ける民主党に 安保の議論をする資格なし!」2015年08月03日高橋洋一「ニュースの深層」

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR