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メンタル・アカウント④

前回、「売り手としては先払いで一括で支払わせる」ことが合理的だと述べました。しかしながら、消費者の立場で考えると、後払いの方がよいと考えるかもしれません。たしかに現金払いよりクレジットカードでの支払いの方が財布の紐は緩みがちです。

 

大学生を対象にしたある研究によれば、学生はクレジットカードの請求額を、実際の消費額より30%も低く見積もったそうです。またMBAの学生は、クレジットカードを使うとき、商品に最大で2倍の金額を支払ったそうです。

 

クレジットカードでの支払いは後払いですが、前回取り上げた「お金が財布を離れるタイミングと、お金を払って手に入れたものを消費するタイミングとの時間差が大きいほど出費の痛みは小さい」「出費に向ける注目が小さいほど出費の痛みは小さい」を満たすのです。

 

クレジットカードで支払うことで、あとで支払うような気にさせ、かつ既に支払った気にもさせます。よって、売り手側としてはクレジットカードでの支払いを薦めることが合理的ですし、消費者としては都度現金払いのほうが無駄使いをしなくて済むでしょう。

 

では、電子マネーについてはどうでしょうか?これについては研究成果を見たことがありませんが、おそらくこれまでの話から、消費者にとっては余計な出費を伴うことになりそうです。チャージ(先払い)と実際の消費のタイミングの時間差が大きくなるし、都度の消費の際に出費を意識しなくなるからです。

 

【参考】

『アリエリー教授の「行動経済学」入門-お金篇-』ダン アリエリー、ジェフ クライスラー 著 早川書房

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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