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値上げの公平性②

■値上げの条件

 

経済学では「需要が供給を上回れば価格は上昇する(値上げは容認される)」と考えます。実際に、商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させるダイナミック・プライシングは多く見られます。たとえば天候等の需要にあわせて料金を変動させるuberや季節需要にあわせて料金を変動させる航空会社などです。

 

しかしながら、前回触れたように特に値上げすることには大きなリスクが伴います。値上げが許容されるためには、次の2つの条件があります。

 

・値上げが正当であると消費者に理解させること

たとえば原材料費などコストが上がったので、遺憾だが値上げに踏み切るしかないといったことです。以前、赤城乳業のガリガリ君が60円から70円に値上げした際、「25年間頑張りましたし、値上げには消極的ですが、やむをえず年内に値上げする」というCMを打ちましたが、消費者からはあまり反発を持たれませんでした。

コストアップ要因がどれくらいなのか明示するなど値上げの根拠を客観的に示すといった透明性がもとめられます。

 

・業界全体が値上げに踏み切ること

特に業界のリーダー企業が値上げに踏み切れば、消費者もそれはやむを得ないことと受け止めます。旅行会社や航空会社の需要期の値上げが正当化されるのは、業界全体でそれを行っているからです。逆に業界全体が値上げに踏み切らない場合には、値上げは大きなリスクになります。

 

 

■どれくらいまで許されるのか?

 

需要超過で供給が追いつかない場合、値上げはどこまで正当化されるのでしょうか。行動経済学者のリチャード・セイラー教授は、個人的な経験として、おおよそ3倍くらいだろうといいます。

 

しかしながら、個人的には3倍の値上げでもかなりの反発は招きそうな印象です。先の2つの条件を満たしたとしても、3倍がぎりぎりというくらいに考えておいたほうがよいかもしれません。

 

 

【参考】

「行動経済学の逆襲」リチャード・セイラー著 早川書房

 

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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