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私たちはどうやって1つの選択肢を選ぶのか?⑥

このように種々の決定方略が見出されていますが、決定方略を補償型と非補償型というように2つに分類して考察することがあります。

 

補償型の決定方略とは、ある属性の評価値が低くても他の属性の評価値が高ければ、補われて総合的な評価がなされる決定方略であり、加算型、加算差型がこれに含まれます。補償型では、すべての選択肢の情報が検討されます。

 

非補償型の決定方略とは、そのような属性間の補償関係がないような決定方略であり、連結型、分離型、辞書編纂型、EBA型、感情依拠型がこれに含まれます。

 

非補償型の決定方略のもとでは、選択肢や属性を検討する順序によって決定結果が異なることがあるので、一貫しない意思決定の原因となります。

 

たとえば連結型で消費者がテレビの銘柄の意思決定を行う状況を考えてみます。連結型では、最初に必要条件をクリアした選択肢が採用されるので、どのような順序で銘柄を検討するかが非常に重要です。もし別の店にその消費者が最も気に入るテレビの銘柄が置いてあったとしても、最初に訪れた店に必要条件を満たすものがあれば、その銘柄が購入されます。したがって、その消費者が最も気に入る銘柄を購入するかどうかは、店頭の商品配置や店舗の位置などの状況要因に左右されやすくなるのです。

 

また、実際の意思決定場面では、決定方略は両者が決定段階に応じて混同されることが多いです。あるいは、消費者は、認知的緊張を低減するために、まずEBA型のような選択肢の拒絶を行っていく方略で選択肢を少数に絞った後に、加算型のような補償型の方略が用いられることが多いです。このように、決定方略自体が意思決定過程の進行に応じて変異することもあります。

 

【参考】

『産業・組織心理学 改訂版』山口裕幸、髙橋潔。芳賀繁、竹村和久著 有斐閣

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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