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人は話し合いでも最初の意見を変えない(隠されたプロフィール)

ステイサーとタイタスは、4人からなる大学生の集団を作って、学生自治組織の会長を選出するために話し合いをする状況設定のもとで実験を行いました。少し単純化して説明します。被験者である学生たちには、会長にふさわしい長所が、Xには8つ、Yには4つあると伝えられています。80名程度の学生たちはそれぞれ4名のグループに分かれます。

 

<条件1>

被験者の学生たちには、X8つの長所を持ち、Yには4つの長所を持つことが知らされる。投票結果は、X67%、Y17%でした。Xが長所の数で最も多いのですから当然といえます。

 

<条件2>

Xの持つ8つの長所については2個ずつ4人のメンバーに分散して与えたのに対して(各メンバーはそれぞれ異なるXの長所を2つしかしらない)、Yの持つ4つの長所は4個すべてを4人全員に与えた。メンバーはXの長所は2つしか知らされていないのでYへの投票が61%で、Xへの投票は25%でした。

 隠されたプロフィール

<条件3>

条件2のもとで、グループ内で話し合って投票するように指示しました。話し合いにより、各メンバーは、X氏が本当は8つの長所があることを知るので、投票率は条件1と同様にX氏のほうが高くなると考えるのが妥当です。しかしながら、結果はY氏が75%、X氏が20%と少ないままでした。

 

ステイサーたちは、話し合って情報を交換しても、最初に与えられた情報に基づいた選択をする者が多かったことを指摘し、Xの持つ多くの長所は隠されてしまったのも同然であると考え、こうした現象を「隠されたプロフィール」と名づけました。

 

なぜそのようなことになるのでしょうか?人は、もともと持っていた知識や情報は重視しがちで、直前に入ってきた新たな情報については軽視してしまう傾向が強くあるのです。先の実験の条件3では、最初に知らされた「Xの長所は2つ、Yの長所は4つ」という情報が重視されてしまい、話し合いで交換された情報の方は軽視されてしまったと考えられます。

 

【参考】

『産業・組織心理学 改訂版』山口裕幸、髙橋潔。芳賀繁、竹村和久著 有斐閣

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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