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戦略、戦略と言うけれど・・・②


「良い戦略、悪い戦略」(リチャード・P・ルメルト著 日本経済新聞出版社)に興味深い内容がありました。少し長くなりますが、抜粋してみます(少し手を加えています)。みなさんは、どのような感想を持つでしょうか。


あるセミナーでローガンというグラフィックアート会社を経営する男と知り合った。ローガンはフットボール選手あがりの魅力的な男である。彼の依頼により、私(ルメルト)は彼のオフィスを訪問することになった。

「戦略はもう決まっているんだ。われわれは成長し、利益を上げる。残る課題は、その実現に向けて全員の士気を高めることだ。そのためには君に経営チームに戦略思考のコーチをしてほしいんだ。」

彼はそう言って、テーブル越しに「2005年度戦略プラン」と書かれた書類を渡してよこ
した。その中に「わが社の主要戦略」として挙げられているのは、次の項目だった。

・お客様に選ばれる会社になる。
・創造性にあふれる独自のソリューションを提供する。
・売上高を毎年20%伸ばす。
・利益率を最低でも20%確保する。
・意欲的に取り組む文化を根づかせる。
・オープンな意見交換のできる職場にする。
・会社の営業圏の地域コミュニティに貢献する。

同社の経営目標はシンプルである。売上高を毎年20%伸ばし、利益率を20%以上にすることだ(名づけて20/20プランという)。

「いろいろな人の意見を聞いてこれを作るのに3週間かけたんだ」とローガンは満足そうだった。「いい戦略だと信じているよ。みんな働いていることが誇りに思うような会社にしたいんだ。この戦略を実現したら、きっとそうなる」
 
「20/20プランは非常に意欲的な財務目標だと思う」と私は言った。「これを達成するにはどうしたらいいか、何か考えはあるのか」

ローガンは指で書類を叩きながら力強くこう言った。「フットボールの選手時代に学んだのは、勝利には力と技術が必要だが、それよりも何より勝つという意志が大事だということだった。成功の秘訣は高い目標を持つことだ、そうじゃないか?われわれは達成するまでやり抜く。それが大事だ。」

それは私が期待していた答ではなかった。

(続きは次回)

※リチャード・P・ルメルトは、英経済誌エコノミストの「マネジメント・コンセプトと企業プラクティスに対して最も影響力のある25人」にも選ばれた戦略論の世界的権威。これまで一般向けの著作がほとんどなかったため日本での知名度はそれほど高くはなかったが、上記著作の出版により注目を浴びた。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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