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消費税率は上げるべきか(反対の立場から)④

まったく影響力のないブログで吠えたところでしかたがないのですが、せっかく書いたのでもう1回だけ。今回は、これまで挙げなかった論点をまとめて拾ってみたいと思います。増税派の主張(太字)に対する反論というスタイルは同じです。


■ヨーロッパでは消費税率20%が標準である。だから日本も国際標準に揃えなければならない。

他の国がそうだから日本もそうしろと言っているだけで、まともな主張とは思えません。もし世界標準に揃えろというのであれば、ヨーロッパ並みの高い失業率(イギリス5.6%、フランス10.2%、ドイツ4.7%、イタリア12.4%で、日本は3.5%)を甘受しなくてはいけないでしょう。もちろんそうなると安全保障環境も移民受け入れも国際標準とすべきです。


■消費税増税は国際公約である

これは2011年に当時の野田首相がG20で「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」と発言したことが、「消費増税は国際公約」と捉えられているようです。

しかし野田首相は野党はおろか当時与党であった民主党内でもコンセンサスを得ないま発言したわけです(その結果、民主党は分裂)。

またG20での発言は何も拘束力はありませんし、諸外国も国際公約だと考えていません。これまでも国際会議での場での発言が実行・実現に至らなかったケースは沢山あるでしょう。


■日本が消費増税しなければ世界で信用を失う

 「消費税を15%以上にすべきだ」と言っているのはIMF(国際通貨基金)くらいです。ノーベル経済学受賞者のジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマン、元アメリカ財務長官のローレンス・サマーズ、現財務長官のジェイコブ・ルー、「21世紀の資本」の著者であるトマ・ピケティらは反対の立場です。世界銀行内でも反対が見られます。
 IMFについて言うと、日本は世界第2位の出資国で、増税したい財務省から副専務理事を派遣しています。よって国際機関の報告書という体裁をとっているものの、実質的には財務省の主張であるとの見方もあります。


■社会保障の財源確保のためにも消費増税は必要だ。

日本の消費税は将来の社会保障のために使うという目的税化されています。社会保障(年金など)は富裕層から低所得者層への所得の再分配ですが、逆進性のある(より低所得者に痛税感のある)消費税で賄うというのは合理的ではありません。「困っている人のために困っている人から税金を取る」ことになるからです。

所得再分配は所得税で行ない、消費税は景気動向にかかわらず安定した財源であるので、本来はニーズが安定している地方公共サービスにまわされるべきものです(地方税化)。世界的にも消費税を目的税化している例はなく、地方税化していることが一般的です。何もかも世界に合わせる必要はないですが、妥当なものは採用すべきでしょう。

また、このまま社会保障の財源を消費税で賄うことになると、少子高齢化のペースを考えれば、最低でも消費税率は20%、おそらく30%まで上げる必要があります。つまり最初から増税ありきなのです。


11月末より、民主党の枝野幹事長が、軽減税率の導入に伴う低所得者対策費用の削減を理由に、「三党合意は既に破られた。破られた以上は守る必要はなし。」と、10%への引き上げに反対する可能性を示唆しています。なんとなく支持率対策のような気もしますが、もし民主党が消費税率引き上げに反対に廻るとなると、選挙対策上、与党側も税率引き上げ再延期(あるいは凍結)に廻る可能性がでてきたような気がします。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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