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ビジネス書は役にたつのか?~賢い経営学との接し方②

■経営者の格言も思い込みにすぎない?

 

一方、叩き上げで一代で企業を成長させた経営者の方から、「経営理論など現場を知らない学者の机上の空論にすぎない」という意見を聞くことがあります。しかしながら、これには同調しかねます。彼らにもなにがしかの成功法則がありますが、それも経営書の成功法則と同様、単なる偶然の可能性が高いからです。

 

経営学者の理論は、多くの実証データを集めて導き出されたものです。さらに専門家(他の経営学者)による厳格な審査を経て学術誌に掲載されます。そのような理論ですら真偽が怪しいのですから、経営者個人の考えなど推して知るべしでしょう。実際にメディア等で持ち上げられていた経営者が成功法の書籍を出版したものの、その後、急速に業績を悪化させたケースは枚挙に暇がありません(よく中古本屋の100円コーナーで見かけます)。

 

 

■では、ビジネス書をどう利用するべきか?

 

企業の業績には、国内外のマクロ経済環境、他社の動向、政府の政策、買い手の嗜好変化など、様々な要因がからみ、その中から普遍的な成長法則を見出すことはほとんど不可能と言ってよいでしょう。極端なことをやって「たまたま」成功する企業もあれば、妥当なことをやっていても運悪く衰退する企業もあります。

 

こうした偶然性が支配する環境下で、ビジネス理論を学ぶ意義は、「必ず成功する」法則を知ることではなく、せいぜい「生存の確率を高める」法則を知ることくらいかもしれません。では、どうすればその確率を高めることができるのでしょうか?

 

それは、1つの考え方に固執するのではなく、できるだけ多くの考え方を知ることに尽きると思います。それまでの考え方が有効ではなかったら、考え方を改め、違う考え方を試してみるしかありません。みなさんには、是非たくさんの考え方を知っていただきたいと思います。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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