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両利きの経営②

前回、環境の不確実性が高い状況では、両利きの経営(既存の分野を深堀しつつ、同時に新しい分野を探索する)が求められ、次の3つの能力が必要とされるということを触れました。

 

  既存事業を深堀する能力

  事業機会を探索する能力

  以上の異なる能力を併存させる能力

 

しかしながら、これは言うに易し行うに難しです。既存事業のメンバーは自分たちの事業のやり方に固執しますし、当面は自分たちには関係のない分野に目を向けようとはしません。また、新たな事業分野は既存事業を破壊する(破壊的技術)になる可能性もあります。よって、既存事業のメンバーが、既存事業を深堀するのと、事業機会を探索するのを同時に両立させることはまず無理と考えられます。

 

そこで、考えられるのが、「既存事業部門」と「新たな事業機会を探索する部門」とを分けるという手段です。しかしながら、単に部門を分けるという考え方(出島方式)は避けたほうがよいでしょう。なぜなら、せっかく探索部門が新たな事業機会を見つけても、既存事業のサポートを受けられず、孤立してしまうからです。

 両利きの経営

両利きの経営は、既存の会社の資産や組織能力を活用できそうな新しい成長領域を探る手法です。よって、同じ企業の下で併存できる必要があります。

 

両利きの経営を行うには、次の4つが必須になります。

・組織構造が深堀りと探索を自律的に行う事業ユニットに分かれている。(組織構造)

・探索側が既存側の資産や能力をレバレッジ(活用)できるよう、特定部分で統合されている。(組織デザイン)。

・既存側と探索側をつなぐ大きなビジョン(存在目的)と明確な戦略意図が存在している。(存在目的・戦略意図)

・既存側と探索側の間で発生するテンションやコンフリクトを自ら解決するリーダーが存在している。(リーダーシップ)

 

結局は経営者の強い決意と取り組みの全面的な支援というリーダーシップが鍵となります。

 

【参考】

『両利きの経営』チャールズ・A. オライリー、マイケル・L. タッシュマン著 東洋経済新報社

『両利きの組織をつくる』加藤雅則著 英治出版

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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